感性を育む学童。

天高く馬肥ゆる秋、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋等々、
最近、そんな季節にふさわしい時間が流れた。

学校の運動会も終え、遊びの中で応援歌の替え歌を作り、
ターザンロープやブランコを使って、ダンスの振り付けを
自分たちで考え、遊んでいる女の子達。
自主的に表現活動をこんな形で楽しみ出来上がると・・・
「先生、ちょっと来て。ここで見ていて。」
楽しいひとときである。

月・惑星・銀河系、そしてビッグバーン、ブラックホールと、
天体のことなら、私より詳しく話をしてくれる3年生の男の子。
将来は天文学者?

10月の初め、雨の降りそうな夕方、広い庭で遊んでいた時の事。
雨がポツポツと降りだした・・・まだ皆遊んでいる。
そのうち少し雨脚が強くなった。テントへ駆け込む子達。
アンパンマン遊具の中へ飛び込む子達。新幹線へ入る子。
皆、一斉にもぐりこんだ。
それぞれ、その中から顔を出し笑いながら雨の様子を見ている。
また小降りになった。
皆、それぞれの館から三々五々、一斉に出た。
少し立って、又雨脚が強くなる。今度は入れ替わるように、皆違う場所へ
逃げ込む。その時のにおい、隣の友だちの顔、と息周りの景色・・・
この子たちにとって、たぶん一生心に残る瞬間である。
こんな事は、一生に一回の事かもしれない。ここで感じた感性は
家にいたのでは味わえない学童クラブならではの、ひとときだと思う。
 
<中島 薫>

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